SPECIAL

DARLING in the FRANXX KEY ANIMATION NOTES発売記念イベント
2018.11.26

「ダーリン・イン・ザ・フランキス」のストーリーを振り返りながら、アニメーターの筆が楽しめる「DARLING in the FRANXX KEY ANIMATION NOTES」の発売記念イベントがアニメイト秋葉原にて2018年11月23日(金)に開催されました。

司会のCloverWorks福島祐一プロデューサーの後、「ダーリン・イン・ザ・フランキス(以下、ダリフラ)」監督の錦織敦史さん、キャラクターデザインの田中将賀さんが登壇しました。錦織監督は「最終回(第24話)の放送から約4ヵ月が経ったので、いまだから言えることがお話しできると良いなと思っています」と会場に詰め掛けたファンの方々にご挨拶。会場は温かい拍手に包まれました。

福島Pからふたりに尋ねたのは、ダリフラの制作が終わってからの近況。「僕は今回、珍しくちゃんと休みましたね。ひとつの仕事が終わると、すぐにOL(オーバーラップ)するように、次の仕事を取っちゃっていたんですけど、今回はダリフラが濃かったのでがっつりと休みました。でも3ヵ月も休むと仕事をしたくなる。今は仕事を取りすぎて、正月はあるのかなって感じです。」と錦織監督。福島Pも「(錦織監督に)いろいろなお仕事をお願いしちゃって、すみません」とお詫びをしていました。 続いて田中さんは「僕はずっとOL、OLで。ダリフラをやりながらも、別の仕事を進めていたところもあったんですが……」と発言。その言葉を聞いて錦織監督は「(田中さんは)人気者だからね。別作品の監督から、恨まれているんだろうなと思いつつ、ダリフラのお仕事をお願いしていました。でも、僕は優越感を味わっていましたね。ダリフラをやっているときは、田中さんはダリフラに夢中だったから」と反応。すると「たしかに夢中でしたよ。現場では、田中さんがこんなに働くとは思わなかった、とよく言われて。」と田中さん。「キャラデをやって、第1話の作監をやったらあとはお任せで、となると思っていたんだけど。実際にはそんなことはなくて」と、錦織さんは第1話から第24話にいたるまで綿密にキャラクターの芝居を含めた作画を修正した総作画監督を務めた田中さんのお仕事を称えました。

錦織監督と田中さんの仲の良さはイベント中もたくさん見受けられました。福島Pはそんな田中さんに、錦織監督の印象を質問しました。 「本編の制作が始まる前のデザイン会議をしているころは、やっぱりこの人は絵描きだなと感じて。僕がやりたいことと、錦織くんのやりたいことの違いを感じたこともあったんだけど。本編の制作が始まると、この人は監督だなと。絵描きの回路と、監督の回路を両方持っている人なんだなと感じましたね。作画と演出はベクトルが似ているようで、全然違う仕事。錦織くんはそこをちゃんと自覚して、切り替えていたので、とても信頼できました」と田中さん。
「そこは難しいところでした。僕は今回、原案も担当しているので、自分のやりたいことを人に伝えるときに、自分は絵を描かないとうまく伝えられないんです。でも、絵を描きすぎると、人の仕事を取っちゃうし、自分で抱えすぎてしまう。絵を描かないと、ふわっとしたものになっていく。そこの線引きがすごく難しくて。本編の制作が始まって、人に完全にお任せするようになるまでは、そのあたりが不器用だったなと思います。田中さんとは仲が良いけれど、仕事で組むのは今回が初めてだったから、そのあたりは(田中さんを)困らせただろうなと。でも、本編が始まると、田中さんが『ここからは全部、僕が引き受けるんで』と言ってくださって、絵を完全にお任せできた。『僕が描いていないのに、どんどん良い絵があがってくる!(笑)』と。これは僕にとって、すごく良い経験になりました」と錦織監督は今回のお仕事を振り返りました。

話題はキャストさんのオーディションの話に。
「まずオーディションテープを聞いて、みんなでどの人が良いかを話しあったんですが、TRIGGERのみなさんと、A-1 Pictures(現CloverWorks)のみなさんでは意見が分かれるんですよね。会社のカラーが出て、おもしろいなと思いました。僕はTRIGGERの攻めているようなキャスティングが良いなと思っていました。」と田中さん。ダリフラのキャスティングを決めるときは、カップリング(パートナーの組み合わせ)を重視して決めていったとのこと。滅多に語られることがないキャスティング話で会場も盛り上がりました。

ここで会場は消灯。田中さんの手元に灯りが用意され、ライブドローイングが始まりました。鮮やかな筆さばきで描かれる、活きいきとしたヒロとゼロツーの表情に、観客は静かに注目します。

その間に、福島Pは観客のみなさんと質疑応答を実施。「制作で一番苦労したことは?」「VIRMの登場は最初から決まっていたことなのか?」「A-1 PicturesとTRIGGERの役割分担をどのように決めたのか」といった質問が飛び出し盛り上がました。
やりとりをしているうちに、田中さんのドローイングが完成。わずかな時間で1枚を見事に描き上げ、アニメーターの実力を垣間見ることができました。

実際に田中さんが描いた色紙イラスト(1回目:ヒロ&ゼロツー)

実際に田中さんが描いた色紙イラスト(2回目:幼少ヒロ&幼少ゼロツー、ミツル&ココロ)

最後に錦織監督からコメントをいただきました。「長く関わった作品なので、僕たちの思い入れも深いものになっています。原画集が出るのは僕らにとってもご褒美のようなものです。ありがたい機会をいただいたなと思っています。本日はありがとうございました。」
そしてイラストを描き終えたばかりの田中さんからも。「ずっと絵を描いていたので、イベントの時間はあっという間でした。放送が終わってから、時間が経ってもこうやってイベントができることが嬉しいです。原画集を出せることや、イベントができることが、僕らにとっては次の作品に向かうモチベーションにもなるので、今後ともよろしくお願いいたします。」

このあとは会場でサイン会を行い、ファンと交流をすることに。

今回はサインとは別に、田中さんが描き下ろした13部隊のコドモたちのスタンプをサイン横にランダムに押しました。ファンに、番号(男子キャラ)と平仮名(女子キャラ)をそれぞれ1つ選んでもらいます。どのキャラクターになるかは実際には押されるまでわかりません。パートナーが揃うと、ファンより福島Pが喜んでいたりと終始なごやかなムードでサイン会も進んでいきました。

約1時間のトークイベントでしたが、かなり濃密な裏話が明かされた、貴重なものとなりました。「DARLING in the FRANXX KEY ANIMATION NOTES」では、ふたりのロング対談も掲載されています。ぜひ、こちらもあわせてお楽しみいただけると幸いです。


商品紹介

全24話と全OP・EDより、珠玉の原画を惜しみもなく掲載した原画集。各巻末には錦織監督と田中さんの対談を掲載。制作の裏側や秘話を語ります。豪華収納BOXは田中さんによる描き下ろしイラストを使用しています。
「DARLING in the FRANXX KEY ANIMATION NOTES」の詳細をみる
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