SPECIAL
STAFF INTERVIEW
小泉賢大
制作部
制作進行の業務は、表現の変遷を体感できます
“物語にかかわる”ことを目標にCloverWorksへ
もともと“物語にかかわる”仕事に就くことを目標に就職活動をしていました。当初は出版やメディア業界を考えていたのですが、企業研究を進めるにつれ、アニメ業界も物語に密接にかかわっている職場だと気づき、この業界への志望を決めました。
志望先を探す際はアニメ作品の公式サイトなどから企業を調べ、併せて10社弱の企業に絞って応募しました。
その中でもCloverWorksは幅広いジャンルの作品を制作しているため、より多くの選択肢に触れられるだろうと考えていたので、志望度が一際高い企業でした。内定通知をいただいた企業の中でも、社内の方への信頼度の高さや福利厚生面への安心が決め手となり、入社を決意しました。
CloverWorksには総じて落ち着いた空気感がある
CloverWorksの社内を見学したときは静かな会社というイメージでしたが、実際に働いてみると、納品間際はドタバタするものの、総じて落ち着いている印象を持ちました。作品には作画さんを筆頭に多数の方がかかわるため、そうした人々とコミュニケーションができる協調性や調整力に秀でた人が多いのが、その理由かと思います。
社内では仕事の話はもちろん、本当に取り留めのない日常会話をすることもあります。私はゲームや漫画の話をすることが多いですが、野球やサッカーが好きな人はそうした話をしています。多彩な趣味を持った人が多いので、共通の話題を見つけやすい職場だと思います。
制作業務で基本かつ最重要なスキルとは
制作進行の魅力は、映像化までの道のりを組み立てられるところにあると思います。特に脚本から絵コンテ、絵コンテからアニメーションと表現の変遷を体感することができます。
そんな業務の中でやりがいを感じるのは、絵コンテをいくつかの範囲に分け、作画さんにどこをお願いするかを考えるときです。先方のご希望、得意なこと、作業期間といった要素から、依頼したい箇所を考え、相談の上でお願いしていきます。スタッフから「また組みたいです」と言っていただいたときは頑張ってよかったと感じます。
一方、苦労する部分は、魅せ場のシーンに力を入れつつも、締め切りに間に合うよう効率的に素材の采配をすることです。これが制作業務において基本かつ最重要なスキルだと思いますが、いざその状況に直面すると、手を付けなくてはいけないことが多くて考えが及ばなくなりがちです。
初めて担当した作品では、そういう未熟さを痛感したことも多かったので、今でも逐一足を止めず判断できることを目指しています。ただ、その作品においても、自分なりに力を入れたところは作品のファンや友人まで、多くの方から好評でした。その達成感はとても強く印象に残っています。
仕事をするときは常に責任がつきまとう
学生と社会人の一番の違いは、責任だと思います。責任が増えるということはやれることが増えるということでもあり、信頼の担保でもあります。仕事をするときは常に作品や会社に対する責任が伴いますが、それがあるからこそ、先方もこちらを信頼して仕事の依頼を引き受けてくださるわけです。また、作画さんを始めクリエイターにはフリーの方も多いので、仕事を依頼するときは、お金や期限が相手の方の生活に直結するのだ、という責任も忘れてはいけません。そうした責任の重さから、私は社会人になってからは随時、確認とメモを取るように努力しています。
入社当初、私自身はアニメとは全く関係のない学校出身だったこともあり、最初は右も左もわからないことばかりで、研修で学んだことをなぞるだけでやっとでした。ただ、一度流れがつかめれば、あとは反省点を修正して無駄を減らしていくことができます。そのためにも、最初のうちは自分だけで解決しようとせず、わからないことがあったら周囲の判断を仰ぐことが大切です。仕事の中で他人に助けを求めるのは、難しいことかもしれませんが、“人に頼るコミュニケーション力”は制作にとって大切な力だと思います。
就活生には「世界を広げてください」と伝えたい
就職してみて、学生のうちに経験しておいた方がよかったと感じることは、大勢で何かを成す体験をすることと、上下関係を厳しく律してくれる人のそばにいることです。
アニメ制作を生業にするにあたり、大勢と何かしらを成し遂げている経験はどこかで生きる機会があると思います。また、律することに慣れている人のそばにいると、他者から見た、客観性を損なわない行動を取れるようになると感じます。
そして学生のみなさんへは、「世界を広げてください」と伝えたいです。仕事をする上で、どうしても相容れない価値観に出会うこともありますが、自らの世界の許容量を大きくしておけば、そうした場面でも順応しやすくなると思います。