SPECIAL

STAFF INTERVIEW
荒井史歩×押尾南那×人見 純
制作グループ
2022年 制作進行座談会
入社して担当した作品やお仕事について教えてください

入社して担当した作品やお仕事について教えてください
荒井:入社して配属されたのは梅原プロデューサーの班で、最初に制作進行として担当したのは『ぼっち・ざ・ろっく!』です。次に『逃げ上手の若君』1話と8話を担当しました。これまでで全3話数ですが、どれも本当に濃密な経験でした。いまは主に『その着せ替え人形は恋をする』を準備中です。
人見:私は入社してすぐに、伊藤プロデューサーの班で『ホリミヤ -piece-』を担当しました。途中から並行して『SPY×FAMILY Season 2』や『黒執事 -寄宿学校編-』の担当話数が動き始め、3作品同時進行という経験もしました。また、それらの作品のローテーションの合間でCMのお仕事もさせていただいています。いまは主に『黒執事 -緑の魔女編-』を担当しています。
押尾:私はアニメ『青春ブタ野郎』シリーズの班に配属されたのですが、ついてくださる先輩が『SPY×FAMILY』を担当することになっていたので、私も一緒に担当させていただいたのが最初です。 その後も先輩のお手伝いをしつつ、『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』と『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』の中で、それぞれ1パートを担当させていただきました。少し期間が空いたタイミングで『WIND BREAKER』のオープニングも担当しましたが、いまは主に『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』で制作進行や版権を担当しています。アニメ『青春ブタ野郎』シリーズを中心に他の班にも関わりお仕事をしてきた形です。
アニメの仕事やCloverWorksを選んだ理由はどういうものですか?

アニメの仕事やCloverWorksを選んだ理由はどういうものですか?
荒井:アニメをたくさん観ていたかというと、正直なところそうでもなかったです。僕は学生時代に演劇をやっていたので、エンタメ系の職業に就きたいなと漠然とイメージしていましたが、就活にあたってはアニメに絞って活動しました。なぜアニメだったのか…いまだによく分かりません(笑)。複数の企業で選考が進むなかで、CloverWorksへの決め手のひとつになったのは公式サイトでした。本当にきれいで見やすくて、更新された情報の内容もわかりやすく、会社としてきちんとしてそうだなと感じました。インターネット上のアニメ業界の情報だけだと不安だったので、とてもありがたかったです。
人見:私も見ていました。
押尾:面接の前にも読み込みましたね。
荒井:会社のロゴがかわいいのも僕としてはポイントでした。いまどき感があり、洒落ているけれど行き過ぎでもない感じがいいなと思ったんです。それは会社のイメージに繋がりました。選考中は採用担当の対応も決め手でした。電話でいろいろと話したりできて、ありがたかったです。
人見:私もそう感じました。同じ意見です。
押尾:あと、私の場合はやはり作品も重要で、『約束のネバーランド』の存在が大きいです。こんな素敵な作品を制作することができる企業に入れたらいいなと思い志望しました。
皆さんの就活時期はコロナ禍で採用試験がオンラインでした。就活で覚えていることはありますか?

皆さんの就活時期はコロナ禍で採用試験がオンラインでした。就活で覚えていることはありますか?
荒井:採用試験では変わった質問が多かった気がしますね。個性や考え方を見ようとしてくれる試験というか…。僕たちは試験でグループが一緒だったんですが、トークする場面で押尾さんにマイクトラブルがあって、皆で呼びかけたりしましたよね。僕、じつはあれで緊張がほぐれたんです。
押尾:セッションに入り直したあとに、皆さんの話を割って発言するのは緊張しました。「すみません!」ってよく言えたなといまも思います。そういった対応を見てくれていたのかなと感じます。
人見:私からはふたりとも全く緊張していないように見えていましたよ。あと、面接では想定した質問は全然こなかったことを覚えています。アニメ業界の採用試験の時期は他業種より比較的遅いです。私はアニメとは関係がない大学に通っていたので、周りがどんどん決まっていくなか、とても焦っていました。「まだやってるの?」と言われながらの就活でした。
荒井:僕も同じで、特にアニメ一本だったので本当に怖かったです。
押尾:私もすごく焦って他の業界を受けたりもしましたが、CloverWorksに決まってよかったです。
制作進行としての働き方には慣れましたか?

制作進行としての働き方には慣れましたか?
荒井:働き方に裁量があるのは僕に合っていますね。
人見:仕事をお願いするクリエイターさんによって制作進行の活動時間は変わると感じました。例えば主婦の方が多い作品ですと、制作進行の動きは昼中心になったりします。活動時間が流動的なので、他業種の友人と集まるときなんかには、毎日の始業終業時間が決まっていればと思うこともありますが、電車の混まない時間帯に通勤できるのは本当にありがたいです。
押尾:制作進行は、関わる人たちとの連絡時間が幅広いこともあり、時間の使い分けも自分で決めることができる仕事ではあると思います。難しさもありますが、すべてが自由で思い通りになる仕事なんてないと思うので、皆それぞれに合う形で対応する感じですね。私にとっては今がバランス取れている状況だと思っています。
「制作進行」としてのスタイルを教えてください

「制作進行」としてのスタイルを教えてください
荒井:僕はクリエイターさんとお話しする時間をとても大事にしています。お互いに考えていることは話さないと分からないと思うので、メールだけで済まさず、とにかく会話をすることを心がけています。物事がうまく進んでいない時こそ自分から会話をしにいくことで、状況を打開できるようになると思っています。適切にこちらの考えを伝えたり認識を合わせることで、次第に制作プロデューサーや制作デスクにすべて頼らずとも動けるようになってきたように感じます。もっとも、文章が苦手なのもありますが、話すことが好きですし自分には合っています。そのやり方が結果として作品のためになればいいなと思っていますね。
押尾:私が主に携わってきた作品班には、進行スケジュールにおいて予め明確に決められたルールがあるんです。そのため、制作進行の動き方はよりタイムキーパーに近いイメージです。スケジュールを軸にきちんと進めていくスタイルで、それは自分の性に合っていると感じます。どの工程にも予定通りお渡しできるよう考えて、できるだけ負担が偏らないように心がけています。しっかりタイムキーパーの役割を果たすことで作品クオリティを守るよう頑張っています。
人見:私は荒井くんや押尾さんの中間ぐらいのイメージかもしれません。粘りたいところを粘るため制作デスクと意見をぶつけあうこともよくあります。ただもちろん全体が崩れないよう、特に仕上げ、撮影の工程はタイトになりがちなので意識しています。以前、色彩設計さんから「仕事がしやすかったので、もっとたくさんローテーションに入って担当してほしい」と褒めていただいたことがありました。当たり前のことをしているだけではあるのですが、とても嬉しかったので大切にしようと思っています。
入社後に研修でアニメ制作を学びましたが、仕事ではどうでしたか?

入社後に研修でアニメ制作を学びましたが、仕事ではどうでしたか?
荒井:ベースのやり方は決まっているもののイレギュラー対応が多い仕事ということは想定内だったので、実際に仕事をしても特にギャップはありませんでしたね。
人見:新人研修でも自分で担当をしながらパターンを学んでいくような感じとはおっしゃていました。ただ、新人研修があること自体もそうですし、先輩が時間を割いて教えてくれたことに意味があったと思っています。CloverWorksの先輩は皆さん質問しやすく、誰に聞いたらいいんだろうと悩まなくて大丈夫でした。実際に仕事をしてみて、インターネットに書いてあるアニメ業界の情報や、周囲から聞いていたお話とは違ったなと思いました。
荒井:仕事のやり方においては、直属の班の先輩の影響はとても受けていると思います。僕の班はデータやファイル管理の方法が明確になるように徹底されていて、本当に綺麗で分かりやすいので見習っています。制作進行の実務は制作デスクから教わることが多いです。頼りがいがある先輩たちです。

押尾:私の場合、最初に教わった先輩のやり方がベースにあり、そのうえでいろんな先輩のやり方を参考に取り入れてみて、自分にとってのベストを模索しているところです。キャリア採用の人も複数いる班なので、各々の経験や事例を教えていただき参考にしています。皆さん優しくて話しやすく、さまざまな意見をもらいやすい環境なのでありがたいなと思っています。
人見:私の班は新卒が大半で、なんとなくCloverWorksらしさが強い感じがします。他班からも頼られている先輩も多いですし、後輩はしっかり者揃いです。
押尾:私の後輩たちも自分の意見をはっきり言えるし、キャリアプランをしっかり見据えて取り組んでいて感心します。
荒井:僕の班に入った後輩たちはそれぞれ個性があって、彼らを見ていると制作進行の仕事って性格が出るんだなと感じます。マイペースに取り組む人、メモを欠かさず考えてから動く人、とにかく行動が早い人などさまざまですし、得手不得手によってもアプローチが変わります。他班の後輩も皆各々良いところがあって、良い作品を作ろうと動いているのを見ていると、未来は明るいなと感じますね。
仕事のやりがいや大切にしていることは?

仕事のやりがいや大切にしていることは?
人見:担当した話数に、初めて色が付いた時の楽しさは言い表せないほどですね。それがやりがいに繋がっていると思います。仕事で心がけていることは、いただいた連絡にすぐ返すことです。対応が難しい場合でも、その旨をまず返信しています。そして自分の強みと言えるのは、ミスをしないことだと思っています。集計表の数字とフォルダのデータ数が一致しているかなど何度もしっかり確認していますし、すぐに対応することやきちんと管理することでミスが防げていると思います。
押尾:私は線撮(線画の段階で仮の映像にすること)を見るとやりがいを感じますね。作画さんから上がった絵素材でもだいたいの動きはわかりますが、映像になるとキャラの動きやカットの内容が明確になるんです。それは、自分が仕事をお願いした作画さんの素材が映像として動く瞬間でもあるので感動するんですよ。その映像は放送されないので、それこそ制作過程に携わっている制作進行の特権でもあると思います。仕事をするうえで大切にしているのは報連相や素材管理です。立場上クリエイターさんを追いかけることが多いので、説得力がなくならないようきちんと連絡するとか、素材を準備するとか、抜けがないよう管理するといったことを、完璧ではなかったとしても心がけています。また、強みといえるかは分かりませんが、先輩の頼みは基本的に断らないよう努めているので、対応力はあるほうかなと思っています。ミスもするんですが、うまく先輩に使っていただいて、いろいろな経験を積むことができています。

荒井:僕はやはり制作過程でのやり取りが一番好きですし、対面で話をすることを大切にしています。作画さんと毎日会話しながら一緒に進めていくことが楽しいですし、仕上げさんや撮影さんと素材について話すのも好きです。皆さんと会話しながら、ひとつの作品を作り上げていくことにやりがいを感じます。また、「概念で追いかけるな」というプロデューサーの教えはとても意識しています。仕事の関係性を曖昧にしないように、雰囲気でスケジュールや進め方の話をしないように気をつけていますね。具体的にお話しするとはっきり道筋が見えるので、クリエイターさんもやる気を出してくれるように感じます。そういう会話ができるのは強みといえるのかもしれません。
現在の目標を教えてください

現在の目標を教えてください
人見:気づけば班のなかで、制作進行として一番キャリアが長いことに衝撃を受けました。人に説明したり教えたりするのは本当に苦手なのですが、後輩が増えてそうも言っていられないな、頑張らなきゃいけないなという気持ちでいます。いまはちょうど、仕事を覚えてきて楽しいというフェイズから、今後どのようにしていこうかと考える段階にきている感じです。キャリアを意識せざるをえなくて悩んでいます(笑)。
押尾:これまでは、人を楽しませるものを作っているのだからアニメの仕事は素敵で楽しいものだ、というバイアスがより強くかかっていたと思います。確かに制作の仕事は楽しいのですが、人見さんと同じく仕事やキャリアのリアルな部分が見えてきたからこそ、今後どう向き合っていくかを考えなければならないタイミングですね。私は入社前から変わらずクリエイター志望なのですが、いきなり演出というわけではなく、まだまだ勉強が必要です。当面は求められている役割にしっかり応えていきたい、自分の使命を果たしたいと思っています。
荒井:制作プロデューサー志望で入社しましたが、まだ先を見通せていないというのが正直なところです。制作デスクの仕事が少し分かるようになって、ようやくいまの班でなら制作デスクを一度経験してみたいな、という気持ちが出てきた段階です。制作デスクは制作進行よりやり取りする内容が多岐にわたって難しそうです。直接会話しないと解決できないことばかりで、制作進行にはない会話スキルが必要になると思います。でも、より多方面の人と会話しながら仕事することができるのは面白そうだな、ちょっとやってみたいなと思い始めています。
学生へメッセージをお願いします

学生へメッセージをお願いします
荒井:他業種に就職した友人には、先輩との関係や、仕事の裁量のなさに苦しんでいたり、新人のうちは雑用ばかりという人もいました。アニメの仕事はある程度自由はききますし、CloverWorksは入ってすぐに仕事をさせてもらえる環境だったんだなと感じています。入社して良かったのは、すてきな人たちに出会えたことです。入社したら皆さん、その良さを実感するのではないかなと思います。
人見:そうですね。アニメ業界全体のことはわかりませんが、CloverWorksを目指すなら安心してくださいとは言えます。
押尾:私自身の就活体験でもあるのですが、就活中は実際に多くの企業や他の学生と交流することで見えてくることも多かったです。受けている人のカラーも会社によって全然違うので、自分がその企業に合うかどうかの判断材料になりました。もちろんCloverWorksに入ることができたからこそ言えることではあるのですが、まず選考の場にまで自分を持っていかないと交流できません。迷っているなら一度受けてほしいなと思います。