SPECIAL

STAFF INTERVIEW

林 耕一郎×本田 守×前田和俊

制作グループ

制作デスク3名の座談会

制作デスクとは、制作プロデューサーを目指す制作進行が次のキャリアに担当する仕事です。各話数を担当していた制作進行から、作品全体のスケジュールや工程管理を担い制作進行を束ねます。制作デスクとして経験豊富なスタッフ、経験を積み始めているスタッフ、初めて経験しているスタッフの座談会です。

アニメ業界に入った経緯やキャリアの始まりについて

アニメ業界に入った経緯やキャリアの始まりについて

林:僕の場合は、大学を卒業してすぐこの業界に入ったわけではなく、数年ほど地元でフリーターをした後に、AICというアニメ制作会社に入社しました。地元の芸術大学で学んでいた実写映画と、アルバイトで関わっていた舞台とで悩んだ結果、アニメを選んだという経緯です。理由は、自分の人生において一番感動したものってなんだろうと振り返ったときにアニメだと思ったからです。実写には実写、舞台には舞台の良さがありますが、最も自分の心が震えた作品は『天元突破グレンラガン』 で、アニメの仕事は人生を懸けるに値するんじゃないかと思いました。CloverWorks辻プロデューサーとはAICからの付き合いです。 のちにCloverWorksの前身であるA-1 Picturesに入社しましたが、その時点で10年近くのキャリアになっていて、2018年の会社分割を経て現在はCloverWorksに在籍しています。
本田:僕は最初からアニメ業界への就職を志望していて、専門学校でアニメを学びました。機会があって、学生時代にA-1 Picturesで制作のアルバイトをさせてもらっていたんです。仕事はカット袋を整理したり素材を運んだりといったサポート業務で短期間だったのですが、そのころに清水社長や福島プロデューサーと出会いました。その縁もありCloverWorksの前身であるA-1 Picturesに新卒採用で入社し、現在はCloverWorksに在籍しています。アニメ業界を志望するキッカケの作品は『涼宮ハルヒの憂鬱』です。
前田:僕も専門学校を卒業しましたが、学んでいたのはデザイン関連でした。アニメのことは全く勉強していなかったのですが、就活のタイミングで「アニメは昔から好きだし、アニメの仕事がしたいな」と考え志望しました。ただアニメにおけるクリエイティブな技術は持ち合わせていなかったので、必然的に制作進行を志望することになりました。そのタイミングで『新劇場版 頭文字D』という作品を観たことがきっかけとなり、ライデンフィルムというアニメ制作会社に入社しました。2社目には、内製に対する考え方を学んだり、アニメ制作のやり方も現場が変わると新しく見えるものがあるのではないかと思って、P.A.WORKSというアニメ制作会社に転職しました。そこで数年間勤めたあとCloverWorksに転職し、いまに至ります。

過去記事:制作プロデューサー対談

初めてクレジットされた作品と制作キャリア

初めてクレジットされた作品と制作キャリア

林:初めて関わったのは『異世界の聖騎士物語』というOVA作品でした。その次に自分の目でクレジットを確認したのは『にゃんこい!』でした。
前田:僕の初クレジットは劇場作品で『モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ』です。初めて制作進行としてパートを担当しましたが、新人の洗礼としてたくさん怒られた記憶があります。ライデンフィルムのころは『はねバド!』という作品が思い出深いですね。
本田:僕が入社後に初めてクレジットされたのは『ビビッドレッド・オペレーション』という作品ですね。先輩に教えてもらいながら担当しました。
林:入社後の制作キャリアですが、辻プロデューサーのもとで『劇場版フェアリーテイル -DRAGON CRY-』の制作デスクを担当しました。初めての制作デスク作品でした。それから『PERSONA5 the Animation』や『シャドーハウス』シリーズを担当したので、CloverWorksでの僕のキャリアは基本的に制作デスクです。
前田:林さんは制作デスクのベテランですね。僕のCloverWorksでの初仕事は『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』の全体的な制作サポート業務でした。そのあと班を移動して『その着せ替え人形は恋をする』や『ぼっち・ざ・ろっく!』で制作進行を担当しました。現在進行中の作品で、初めての制作デスクを経験しているところです。
本田:『ビビッドレッド・オペレーション』など最初は福島プロデューサーの班にいたのですが、その後、いろいろなプロデューサーのもとでさまざまな作品に関わらせてもらいました。初制作デスクは『約束のネバーランド Season 2』で、そのあとアニメ『SPY×FAMILY』シリーズの制作デスクを担当しています。

CloverWorksの職場環境について

林:職場環境は良いですし、作品数も多く、人もたくさんいるので良い会社だと思います。アニメ制作会社として規模が大きいということは、スケジュールや予算のかけ方などさまざまな面でメリットがあります。
クリエイターの人数もさることながら、制作進行の人数が多いのも良いところです。本来の職務を頑張っていることが前提ですが、各々の実力を鑑みて仕事をふったり、キャリアの希望を聞いて仕事を提示したりすることもあります。制作中はどうしても踏ん張らないとならない時もありますが、人が多ければ助け合うこともできます。
前田:すべて林さんが言ってくれましたが、研修や育成にも時間をとっていますし、教えてもらえる環境があることも良いと思います。
本田:僕は生え抜きですが、良い会社だと感じていますよ。

以前のアニメ業界と比べて感じる働き方の変化

以前のアニメ業界と比べて感じる働き方の変化

林:『シャドーハウス』担当時、制作進行が自分自身で担当話数をやり切れるように導きつつ、徹夜など無理はしないできちんと家に帰って休んでもらうことをテーマにしていました。素材スキャンなどの単純に人手の必要な作業はサポートしますが、主体で動いてもらいたい集計表を代わりにつけることは絶対にしません。主体は制作進行だと伝えて、素材や集計表の管理やクリエイターとのやり取りは、制作進行自身でおこなってもらうようにしていました。そのうえで、たとえ納品直前であってもきちんと家で休む時間を作れるように気を配りました。
本田:休むことも必要ですね。
林:そのように采配することが制作デスクの仕事かなと思います。あと僕は毎回なにかしらテーマやミッションを決めて仕事をしています。それは面談で課せられたり、自分で過去の反省を踏まえて決めたりしています。新しいことにチャレンジするとか、安定して納品する、などさまざまなことです。
前田:ひと昔前と比べ、一話数あたりのスケジュールが延びているので、その分クオリティ面に還元しようという動きが出ていると思います。時間をどのように使うかは、制作デスクとして作品全体を見るようになってより考えるようになりました。

制作デスクというポジションとは

制作デスクというポジションとは

林:制作デスクは、中間管理職です(笑)。
前田:そうですよね。ただ僕はまだ手さぐりです。どこまでが制作進行の仕事で、どこからが制作プロデューサーの仕事なのか。自分の制作進行としての経験のなかで、制作デスクを頼りたかったタイミングを思い出しながら動いています。なるべく制作進行に寄り添える制作デスクでありたいなと思っているのですが。
本田:寄り添うとしても話数のカロリーはもちろん、各制作進行の経験値、技量やこだわり、考え方にも左右される部分はあるので、そこは制作進行とコミュニケーションをとりながら決めていくしかないと思います。
林:制作進行と制作デスクの視点の違いは大きいです。制作進行は自分の担当話数をより良くするため自分の話数のことだけを考えて動きますが、制作デスクは作品全体を守るポジションなので、制作進行に注意を促していかなければならない場面が出てくることがあります。
本田:必要があれば一日に何度も各話数の日報を確認し、制作進行から直接説明をしてもらって状況を整理するようにしています。話数の主体は制作進行だと思うので、対話して状況確認をしながら進める必要があると考えています。細かく話を聞くというのも業務だと思います。
前田:そうですよね。やはり現場において中核を担っているポジションだと思います。

制作プロデューサーと制作デスクの役割の違い

林:制作プロデューサーが予算を管理します。制作デスクの仕事は、それ以外の現場進行に関するすべてですね。とはいえこの範囲は作品の成り立ちやプロデューサー次第で変わりますし、制作プロデューサーと制作デスクの組み合わせによっても異なると思います。
本田:役割分担で言うと僕の場合、自分で対処できないことはプロデューサーに相談、というスタンスでやっています。というのも、制作現場のことだと基本的には制作進行とクリエイターで対処できるものがほとんどだと考えているので、それ以外の予算然り折衝が必要なことはすぐに相談します。

制作デスクに向いている人物像

林:働き方が変わってきているといっても、やはり土壇場の体力、精神力は必要な仕事です。TVシリーズの制作デスクなら納品が一話数終わっても、すぐ次の話数の納品に向けて動かねばならないですから。制作進行であれば、担当話数が終わったら達成感と解放感がありますけど、制作デスクのゴールは最終話を納品できたときなので、精神力の維持が必要です。逆にその面白い瞬間を何回も味わうことができるのは魅力なんですけどね。
本田:そうですね。そういう意味でも制作も佳境ということころで、変わらず現場の士気を上げられるようなエネルギー溢れる方が向いていると思いますね。
林:あと、面倒見の良さも重要だと思います。例えば制作進行がミスをしたら、一緒に謝りに行く必要がありますし、リカバリーに向けて一緒に対応せねばならなかったりもします。フォローやサポート業務を厭わないことも重要だと思います。

アニメ業界で働き続ける理由と秘訣

アニメ業界で働き続ける理由と秘訣

前田:続けてこられたのは、皆でアニメを作っているのが楽しいからです。観るより作るほうが楽しいです。
本田:僕も同じです。ずっと目の前の仕事に夢中になっていたら続けていました。
林:時折他の業界の友人の話を聞いたりすると、いろいろと考えることもありましたが、夢中になってここまできましたね。
本田:あと、アニメ業界全体の流れも含め、CloverWorksの働き方や環境が良い方向に進んでいて、働きやすさを実感しているのも続けてこられた要素だと思います。
前田:仕事を続ける秘訣というと、逃げないことでしょうか。
林:そうですね。信頼関係が大事です。物事から逃げないこと自体が信頼に繋がっていくと思います。
本田:僕自身は作り終わったあとに「もっと良い作品にできたかもしれない」という後悔の感情が残ることもありますが、逆にそれも続けている原動力かもしれません。いつももっと良い作品を作りたいと思っていますから。
前田:僕も同じです。貪欲な気持ちはずっとあります。
林:「完ぺきな映像ができた、やりきった」と満足していたら、逆に辞めてしまっていたかもしれないですね。

制作進行を目指す学生に向けてメッセージ

前田:ものづくりの現場は楽しいので、一緒に頑張っていきましょう。そして、好きという気持ちは大切ですが、ただのファンではなく作り手になるという意識も持ってほしいです。
本田:そうですね。仕事として責任をもちながらも、制作現場を楽しめる人が良いと思います。作り手側として、視野を広くもって志望していただきたいです。
林:ものづくりという意味でとても面白い仕事であることは間違いありません。刺激的ですし大変なぶん、やりがいもあります。 僕たちもできる限りサポートしますので、困ったことがあったら頼ってください。ご応募お待ちしています。

  • INTERVIEW LIST

INTERVIEW

  • 2024.3.1

    チームワークを重視して円滑に制作を進める

    2024.3.1

    チームワークを重視して円滑に制作を進める
  • 2024.3.1

    一丸となって作品制作に臨むチームを作る

    2024.3.1

    一丸となって作品制作に臨むチームを作る
  • 2024.3.1

    環境が整って層が厚くなった仕上げルーム

    2024.3.1

    環境が整って層が厚くなった仕上げルーム